シヅマ Vol.2『商人』舞台写真

シヅマ 第2回公演

商人

הסוחר — Arnold Wesker

翻訳 / 竹中 昌宏 演出 / 辻井彰太

「絶望という言葉は使いたくない。この言葉は私のものではなく、
委託されて預っている言葉に過ぎない。」

ビスワヴァ・シンボルスカ(ポーランドの詩人)

区別と差別
あいだで

私たちは「自分は差別をしない人間でありたい」
あるいは「せめて自分は公平な人間でありたい」
きっと、そんな願いを胸に生きている。

だがその「公平さ」が、自分でも気づかない感情や恐れ、
あるいは幼いころに学んでしまった"価値の序列"に支えられていたとしたら。
自身が抱く公明正大な「区別」が他の誰かの「差別」であってしまったら。

アーノルド・ウェスカーの『商人』は、
「差別を持たないつもりでいる人間の心のありよう」を描き出そうとした作品である。
誰もがまっすぐに正義を求め、友情を信じ、愛を差し出す。
だからこそ、彼らの言葉や沈黙の中に、無自覚の暴力がにじみ出る。

これは「差別は外側にある」と信じている私たち自身のまなざしに光を当てる試みである。
言葉が、声が、表情が、時に優しさで、時に刃となって他者を切り分けていく。
『商人』というこの戯曲を心の鏡像として、観客自身の内にある不可視のラインに出会ってもらいたい。

これは誰かを告発する物語ではなく、
"わたしの中にある、見えない線引き"をそっと見つめる物語である。

演劇を作る
個人
あり方を見直す

シヅマは2019年11月、佐藤拓之・辻井彰太・鶴牧万里の3人で創立した演劇チームです。試演会の開催、演劇の歴史を紐解く座学、音のVR作品の創作など、形式にとらわれず演劇の可能性を模索する活動を行ってきました。

第2回公演では、イギリスの劇作家アーノルド・ウェスカー作『商人』を上演します。区別と差別の境界を、善性のプリズムを通して浮き彫りにした本作を通して、私たちの内側にある「不可視のライン」を描き出します。

舞台は
ルネサンス期の
ヴェネツィア

宗教も身分も隔てられた社会の中で、二人の男が出会う。出自も価値観も異なる二人は、それでも「友情」と「知性」という共通言語を通じて、互いの隔たりを超えようとする。だが、外の世界はその絆を祝福しない。

The Moneylender
シャイロック

ユダヤ人の高利貸し。アントウニオウの「友としての誠意」を信じ、利息のない金を貸す。

The Merchant
アントウニオウ

キリスト教徒の商人。名付け子の恋路を助けるため、シャイロックから金を借りる。

その契約に利息はない。ただ一つ、もし返済が滞った時は、シャイロックがアントウニオウの肉を一ポンドもらうという"戯れ"の条項だけが記される。互いを信じたからこそ、成り立ったその契約。だが運命の歯車は、残酷にもその「戯れ」を現実へと引きずり出す。

アーノルド・
ウェスカー

Arnold Wesker

Arnold Wesker(1932–2016)

イギリスを代表する現代劇作家の一人。東ロンドンのユダヤ系家庭に生まれ、労働者階級の視点から社会の矛盾や不平等を描き続けた。

『商人』では、シェイクスピアの『ヴェニスの商人』を再解釈し、ユダヤ人である自身の視点から、差別や偏見の構造、そして人間同士の対話と理解の可能性を描く。

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2026.09.09(水)-13(日)
上野ストアハウス

前売 ¥5,000 / 当日 ¥5,500

予約受付開始 2026年7月7日

CAST

STAFF

  • アーノルド・ウェスカー
  • 翻訳竹中 昌宏
  • 演出辻井 彰太(シヅマ)
  • 舞台監督杣谷 昌洋
  • 照明千田 実(CHIDA OFFICE)
  • 美術杣谷 まゆこ
  • 演出助手藍川 メリル
  • 宣伝美術quiet design productions.
  • 制作シヅマ制作部

Schedule

9 / 9
19:00
9 / 10
14:00
19:00
9 / 11
19:00
9 / 12
14:00
19:00
9 / 13
14:00
5日間、全7ステージ。開場は開演の30分前、受付開始は開演の60分前です。

Venue

〒110-0014
東京都台東区北上野1-6-11 NORDビル B1
TEL: 03-5830-3944 FAX: 03-5830-3945
JR 上野駅 入谷口より徒歩5分(改札からは徒歩8分)
東京メトロ 入谷駅 1番出口より徒歩5分
※ 駐車場・駐輪場はございません。公共交通機関をご利用ください。
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