こんにちは。河原舞です。

今回、初めての一人芝居です。
と言っても、演劇はひとりでは決して作れるものではありません。

関わる人の人数は少なくても、一回一回の稽古の時間はとっても濃密です。贅沢な時間だなあと思います。感謝です。

この作品と向き合う中で、私はわたしという人間の形や手触りを感じています。生き方、考え方、演劇に対する思い、身体、頭、顔、様々な部分に触れて確かめる作業の連続です。『4.48 Psychosis』 を観て、みなさんにも自分の形や感触を感じてもらえたらと思います。

誰かがこうだと言ったから形作られたわたし
自分がこうだと思ったから形作られたわたし

どれもわたしであり、尊い存在であるということを少しでも感じてもらえると嬉しいです。

大阪府吹田市出身。1988年生まれ。京都造形芸術大学（現、京都芸術大学）を卒業後、上京。2015年演劇集団ゲッコーパレードを立ち上げ2021年まで同集団で活動。現在は役者としてフリーで活動している。近年の主な出演は、小田尚稔の演劇、劇団ドクトペッパズ、砂と水玉、演劇ユニット Ｇ.comなど。

【演出／辻井彰太から見た、河原舞さん】
勇敢な方です。
責任感が強く、ストイックで、逞しい。誠実に作品創作に向き合う姿に下卑た承認欲求は微塵もありません。どの現場においても圧倒的に信頼に足る役者だと思います。同時にその心根は繊細です。弱者の視線を決して蔑ろにしない。だからこそ彼女の芝居は優しさと強さに満ちています。

ある老舗の演劇塾においては役者の才能は三つある、なんて言われてるらしいです「顔がでかい。身体がでかい。声がでかい」その言説を真に受けるのなら、河原さんは「わたしには役者の才能がないんだ……」と打ちひしがれる役者にとって希望となる存在だと思います。
11年ぶりに一緒に演劇を作るのですが、お互いの歩んだ軌跡を噛み締めながら、改めて彼女の芝居に尊敬の念を感じる毎日です。
恐らく河原さん史上最も不自由な形式に収められた自由な芝居「4.48 Psychosis」どうぞご堪能ください！